私にとって山歩きの大きな楽しみの1つは山野草たちとの出会いです。登山道沿いには季節の移ろいとともに様々な種類の花が咲いてくれます。登山道の目立つところに大きな花を咲かせている花もありますが,多くはひっそりと目立たないように咲いている小さな花たちです。 一度山野草の魅力を知るとスポーツ登山よりも心の癒しの方を優先するようになり,必然的に山行スタイルは“スロー登山”になります。そんな心癒される山野草に出逢ったならば,フォトジェニックに撮ってやりたいと思い“ポートレート”風に撮っています。

花名:ユキワリイチゲ(雪割一華)

ユキワリイチゲ(雪割一華)の高画質写真
◎撮影日:2005年 3月 20日      ◎撮影地:皿ヶ峰山系     

ユキワリイチゲ(雪割一華)】の図鑑情報

科+属 キンポウゲ科 イチリンソウ
花名の由来

一輪の花を咲かせるものに「一華」を冠する。したがって,雪を割って一輪の花を咲かせるという意味になる。しかし,実際には開花期には雪がまったくない場合が多いので文字通り「雪を割って」咲くわけではない。

「雪割一華」という名前の響きがよいだけに実情を知ると少しがっかりする。

レッド・データ なし
生育環境・特徴

森や雑木林の中に生える多年草。滝の近くで見ることが多い。

3小葉からなる根生葉は菱形のような形をしていて鋸歯がある。表面は白い斑紋がある濃緑色だがしばしば部分的に淡褐色化しており,裏面は地味な紫色をしている。3枚が輪生する茎葉の中心部分から花柄を出しその先に一輪だけ少し菊に似た雰囲気を持った花をつける。径は3.5cmほどで淡紫色~白色。しかし,上の写真のように淡黄色のものが1個だけ見つかった。

花弁に見えるのは実際は萼が変化したものだが,概ね10~20ほどあるようだ。

ユキワリイチゲの花の愛らしさに比して,葉は綺麗とは言い難い。これは,他のイチリンソウの仲間とは異なり,葉は越年するためで冬の間に傷むからのようだ。

花 期 3~4月
識別のポイント

キクザキイチゲとアズマイチゲが似ているが,葉の形状を見れば簡単に識別できる。なお,キクザキイチゲは近畿地方以北だから分布域が異なる。

分 布 情 報 本州(近畿地方以西) 四国 九州
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