小田深山渓谷…錦秋の美 2005年11月10日

小田深山渓谷の名前を知ってもう20年以上になるかも知れない。写真撮影を趣味として始めて数年経った頃に小田深山の錦秋の渓谷美をカメラ雑誌か何かで目にした。その時まで県内にこのような紅葉の名勝があるのは知らなかった。

それ以来,行ってみたいという興味は継続的にあったが,何しろ「山岳写真」に夢中になっていたので,この季節は時間があるとどうしても雲海や霧氷狙いで石鎚山や瓶ヶ森に出かけてしまった。そういうわけで今日まで訪れる機会がなかったのだ。

ところが,昨年から山野草の撮影を始めたのがきっかけとなって,蝶など他のモチーフにも興味を持つようになり,少なくとも意識の中では撮影対象が自然一般に広がった。

そういうところに,小田深山の情報を写真と共に掲示板に書き込んで下さった方がいた。「おお,そうだ。小田深山があった。」という心境だった。それがきっかけで,くすぶっていた小田深山に対する写欲がふつふつと湧いてきた。

仕事が休みの10日木曜日,天気予報では朝は冷えるそうだ。理論的には瓶ヶ森頂上はマイナスになる。霧氷が着くかも知れない。しかし,この日を逃せば小田深山の紅葉は完全に終わってしまうだろう。瓶ヶ森が最大の活躍の場所のオーバーホールに出したカメラもまだ戻ってきていない。これは神の啓示だろう,と半ば無理やり納得し,最終的に「小田深山渓谷探勝」に決め予定を立てる。(^^)

6時に起きる。曇っていて思ったほど冷えてはいない。雲をよく見るとどうやら山の上からは雲海になっているような状態だ。しかし,雲海になろうがどうしようが,今日は小田深山渓谷だ。(^_^;)

補足:
コース紹介が必要なところではないので,主に施設と紅葉の写真だけでまとめたいと思う。

 

(1)深山荘に到着

朝の6時半ごろに出発して9時15分ころに着いた。四国カルストの天狗の森に行くのと同じだけの時間がかかった。結構山深いという印象だ。

曇っているが,暗くはない。晴れてくるだろう。

深山荘で基本的な情報収集をして腹ごしらえ。深山荘の営業は11時からなので,持参のオニギリと味噌汁で朝食とする。

太陽の位置を考え,車道を深山荘側から見て遊歩道の終点付近である安芸貞渕までとりあえず歩いてみて,その後,そこからぶらぶらと散策しながら深山荘まで帰ってくることにした。この方が渓谷を歩くときに少しでも日が当たる部分が多くなっていそうだ。

ついでながら,この時期は太陽が顔をのぞかせるのは場所にもよるだろうが概ね9時以降で,しばらくは車道側にしか日が当たらない。川の方にかなり日が廻るようになるのは10時以降だ。

  

(2)深山荘横の駐車場

この時間,まだ車は少ない。

左の建物はトイレだ。トイレにしてはりっぱな建物で内部も清潔だ。ちなみに,ウォッシュレットが付いている。(^^)

混雑時はこの駐車場から一杯になるようなので,この先にある大駐車場に駐車した方が何かと安心かも知れない。

 

(3)深山荘前の紅葉

日は全く当たっていないが,結構きれいな紅葉だった。

 

(4)駐車場付近の紅葉

絵になる部分だけ切り取った。

やはり,事前情報通りで総じて川沿いの紅葉のピークは過ぎているようだ。

葉がほとんど落ちている気もあれば,葉が茶けているものもある。

 

(5)駐車場付近の紅葉

ここもこの部分だけが綺麗だった。

 

 

(6)駐車場付近の紅葉

奥の樹木は葉がかなり落ちていた。

 

(7)廻り岩渓谷

車道沿いからもそれなりに綺麗な所はあるが,写真にするのは難しい。見て楽しむのに適している。

 

(8)晩秋の山肌

紅色と黄色のコントラストがもっとはっきりしていれば絵になるだろう。全体にくすんでいる感じなのが残念だ。

 

(9)大駐車場

深山荘から車道沿いに進むと園地・キャンプ場があり,さらにその先に大駐車場がある。トイレもある。

この画像は車道から見たところ。見えているのは一部だが,広さが分かってもらえるだろうか。

 

(10)五色ヶ原

木の間から綺麗な紅葉が部分的に見られる。

 

(11)安芸貞渕

この渓谷の散策コースを短くまとめると左のようになるようだ。

しかし,今年は木の伐採で遊歩道通行止めになっているので,遊歩道を全て周遊できる分けではない。また,どこかの橋も流されたままになっているらしい。

川に下りられそうな所は下りてみて,また車道に戻るというような歩き方になりそうだ。

 

(12)赤石

「伊予の赤石」は有名だが同じものなのだろうか。あまりの「赤さ」に少々驚いた。

この赤石と周囲のコントラストは面白い。新緑の時期の方がこの赤石が引き立つのではないだろうか。若葉薫るころに写してみたいポイントだ。

 

(13)赤石

気に入ったのでアップ気味でも撮ってみた。

水の中をよく見ると結構大きな魚が泳いでいる。

 

(14)渓谷美

紅葉の当たり年の,しかもピーク時にぜひとも訪れてみたいものだ。

水面に映える紅葉,日本人の情感に訴えるような風景だ。

 

(15)カモ

カモが1羽だけ流れに逆らうように遊泳していた。我々がそっと近付くと岩の上にあがり毛繕いを始めた。

その様と今日の暖かさがよく合っている。

 

(16)イワナかアマゴか?

ここに確かに魚が写っている。しかし,背景と同化して分からない。

 

(17)紅葉

燃えるような紅色がないのでコントラストに欠ける。

 

(18)赤い実

正体が分からない。

 

(19)水面に映える紅葉

もっとも気合を入れて写したポイントの1つ。

 

(20)紅葉と渓谷

遊歩道の途中にロープを張って通行止めにしてあるので,再び車道に戻る。

この地点は渓谷というよりも峡谷の雰囲気がある。

主役の木からもうほとんど葉は散ってしまっていたが,紅葉のピーク時なら面白いポイントかも知れない。

午後,帰る時にもう一度この場所の光の状態を確認したが,シャッターを切る気にもならなかった。撮るなら絶対に午前中だ。

これは10時55分の撮影だが,まだもう少し後の方がよいと思う。(この時刻は来年のために記してある。)

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