『皿ヶ嶺』山行レポート 2009年01月14日 No.1/1

2009年,初山行

毎年のことですが,この時期までは休みが取れず今回が初山行です。去年は17日だったのでそれよりは少し早くなりました。曜日と天気の巡り合わせのおかげです。

この時期は雪の中を歩くのが楽しみですが,幸いなことに皿ヶ峰という気軽にスノーハイキングができる山が愛媛にはあります。本格的な雪山は“気軽”に出かけられませんが,皿ヶ峰なら初心者も大丈夫です。

高速を走って一般道に降り山道に入ると積雪があります。去年とはかなり状況が異なります。スピードを落としほとんど徐行状態に近い速度で進みます。愛車は四駆でスタッドレスを履かせていますから,上りなら必ずしも徐行運転をしなくても大丈夫なのですが,万が一のためにゆっくり高度をかせぎます。

駐車場に着いたのは8時頃です。粉雪が降っています。マイナス2.5度です。辺りは昨夜から断続的に降ったのでしょうか,新雪がフワフワという感じです。アイゼンは必要なさそうですが,念のためにチェーンアイゼンを装着します。新雪の中でのチェーンアイゼンの効き具合を確かめる意味もあります。爪アイゼンを着けるほどではない時にチェーンアイゼンは重宝します。

8時15分,出発です。ちょうど歩き始めると同時に風が強くなってきました。

まもなく,吹雪となりました。頬に当たる粉雪が痛く感じます。横殴り状態です。撮影をしながら歩くのは諦めカメラはザックにしまったままです。

突風が時折吹きますが,その時は数秒間ホワイトアウトの状態になります。降雪と木の枝や山肌に積もったパウダースノーが風で舞い上がり白いカーテンになってしまうのです。

いつも休憩するベンチで暖かいお茶で水分補給をします。外気に露出している顔面は痛いほど寒いですが,身体はしっかり汗をかいています。

吹雪は激しくなる一方なので,竜神平の愛大小屋に直行します。


(1)愛大小屋

小屋の中はマイナス4.5度です。外は吹雪なのでそれに比べると暖かく感じます。

小屋の中でコーヒーを沸かしおやつタイムです。寒さのためでしょうか,私はかなりお腹がすきました。乾パンを友にコーヒーをすすります。

9時50分,下山します。

 

  

(2)分岐

写真ではよく分からないでしょうが,吹雪いています。

どのコマも雪のために極端にコントラスト低くなっています。あまりにも“眠い”写り方なので,レタッチソフトでコントラスをあげて掲載しています。

 

(3)

 

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ここまで下ってくると,少し明るくなって町の一部が見えてきました。


(10)

駐車場に戻ると9時45分でした。愛車に雪が積もっていてガラスは真っ白です。下の方には20cmほどのツララができています。

初山行にしては足腰の状態は負担が少なかったようです。フワフワノ雪がクッションになってくれたようです。これも雪の中を歩くのが好きな理由の1つです。

この後は,今日のもう1つの予定である“白猪の滝”に向かいます。

 

■冷や汗体験

車で帰路に向かっているときにおそらく道路の凍結によるスリップで自損事故を起こした車があり,その車を救助に来たJAFの車と途中出会いましたが,もう少しで衝突するところでした。こちらは完全に徐行運転をしていたのですが,JAFの車は上りということもありチェーンも装着していたので雪道を普通のスピードでカーブから現れました。正直,雪道をこんなスピードで走るのかとビックリしました。実際は,普段よりはスピードを落としていたのかも知れませんが。

慌ててブレーキをかけましたが,運悪く新雪の下は凍結していてタイヤは止まっても車は止まってくれません。車体が傾きながらじわじわ左に流れます。「あっ,ぶつかる」と思いましたが,ほんの数十センチのところでなんとか止まってくれました。もう少し滑っていたら脱輪するところでした。

「四駆+冬用タイヤ」でも凍結した道の下り走行ではこれが実状です。

JAFの人もビックリしたと思いますよ。そういう表情が一瞬でしたが見えました。冬場の山道ということで対向車が少ないので油断していたのはお互い様ですね。いつもならクラクションを鳴らすのですがつい怠ってしまいました。なにしろ,平日の冬の生活道路ではない山道ですからね。油断大敵です。

こちらの車が滑っているのを見てすぐに,JAFの作業車が止まるや否やバックさせて行動は実に機敏でした。

これだけ滑ったのは私も初めての経験でしたので不思議な気がしました。もっと勾配のきつい凍結した路面のところを走った経験がありますが,今回のような滑り方はしたことがありませんでした。

原因をよく考えてみると路面が凍結した上に積もったパウダースノーの新雪が『摩擦係数』を減らしたのかなと思います。

私は過去何度もアイスバーン状態になった山道では,もちろん安全を確保した上ですが,故意にブレーキをかけて車の挙動を確かめることがあります。これはほとんど習慣になっています。冬用のタイヤも毎年同じ状態ではありませんし,道路の状態も毎回違いますから確かめないと不安です。ちなみに,今の冬用タイヤは昨年末に新しくしたばかりです。

その経験からすると,人が車を降りて立つことができないようなツルツルのアイスバーン状態の場所でも冬用のタイヤを履いているとスピードさえ出していなければきちんと止まってくれます。

ですから,上記を含めて3か所ほどで同じ挙動をした今回のようなことは初めてで,改めて用心しなければと自らへの警鐘になりました。

とにかくスピードを出さないことですね。それと,新雪の下が凍っていると分かったら,少なくとも復路の下りでは面倒がらずにチェーンを装着することですね。谷川に落ちてからでは遅いですから。自損事故の運転手もきっとスピードの出しすぎだと思います。皿ヶ峰に行かれる方は気をつけて下さい。


(11)白猪の滝

この氷瀑を目当てに20名ほどのカメラマンや見物客が来ていました。

ここでも吹雪いていました。東屋で雪が止むのを待っているカメラマンも数人おられました。

この写真でも分かりますが,氷が土色に汚れています。これは“絵”的には大きなマイナスで,写欲が萎えてしまいます。

個人的には,一冬に一度見られたら満足の風景ですが,もし氷の色が汚れのない綺麗な状態なら再訪したいと思います。


(12)

(13)

白猪の滝を見た後は,お気に入りの温泉に立ち寄るには10kmも戻らないといけないので,自家製温泉(=温泉の元)を楽しみに高速に乗り家路に向かいます。途中のSAにお気に入りのパン屋さんがあり,そこで昼食をすることにします。

週間天気予報によると,来週は気温があまり下がりそうにありません。できれば,今回は駄目だった青空を背景にした霧氷を皿ヶ峰で見てみたいのですが…。

終わり

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