秘境 『乗鞍五色ヶ原…池巡りコース』 探勝レポート 2007年6月7日 No. 1/7
 

この日は予定通りいっていたならば九州遠征に出かけており,韓国岳の頂上に立っているはずだった。しかし,頂上付近のミヤマキリシマツツジが例年よりも開花が遅れており,この週には咲かないということが分かった。1週間延期することも考えたが,梅雨に入るので天気の心配をしなければならないということもあり中止した。

このままではせっかく確保した休暇が無駄になる。そこで代案を考えている時に,「乗鞍五色ヶ原に行こうか」ということになり,早速インターネットで調べると平日ということもあり満員にはなっていない。そのままネットで予約を入れる。ここはガイド付きで入山することになっており1日の入山者数も限られている。したがって,参加するには「ガイドツアー」に予約申し込みをする必要があるのだ。

乗鞍五色ヶ原には『滝巡りコース』と『池巡りコース』の2種類がある。2005年秋に初めて参加したのだが,その時は池に水がなかったのだ!そこで,今回我々は「やり残した感」のある池巡りコースを選択した。池に映える新緑を見たかった。この時期なら水があると言う。

次の日,予約センターから電話が入る。希望している日の池巡りコースの入山希望者は我々2人しかいないので,入山(ガイド)料が1人2万円になるという。家内と2人で4万円!?ガーン!!

払えません,無理,無理です!

この時点で希望日まで5日ほどしかなくしかも平日なので,諦めの境地ながらも,他に参加希望者があり通常のグループツアーが成立すれば連絡を下さいとお願いした。信州遠征もボツになるのは必至と思い,家内と代案を相談するも「どうする?」「どうしようか?」の繰り返し…。

翌日の午後,予約センターから電話が入り,人数が集まったとのこと。(^^)v

直前の参加者がいなければ,我々を含めて6名のグループになるそうだ。入山料は8,800円也。これが最低入山料。よかった,よかった。


5日から6日に日付が変わった頃に高速に乗った。途中休憩や食事をして,午前8時半頃に宿泊予定の旅館に到着。挨拶をしチェックインの時間を確認して上高地に向かう。今日は上高地散策でゆっくり過ごし,明日に備える。

上高地から戻ってきて,旅館でゆっくり温泉に入り,食事を美味しくいただき,生ビールを睡眠薬にして爆睡。7時過ぎに寝ることなど普段はない。真夜中に目を覚ますと雨が激しく降っている。雨の中を歩くことを覚悟するが出発前から週間天気予報である程度は覚悟ができていた。それ以上気にしないで,明日のために寝る! 再び,爆睡。

5時過ぎに目を覚ます。スッキリ!

窓から外を見てみる。辺りは霧に覆われている。やっぱりな。しかし,上も見ると…,薄い霧の向こうに青空が見えるような…,いや,青空だ!まちないない。「よしっ!」気合が入る。

朝食は6時にお願いしている。朝食も美味しくいただいた。支払いを済まし,帰りの入浴の半額券を貰って出発する。


『乗鞍五色ヶ原』探勝に関する基本的情報はこちらをクリック

午前7時集合の予定だったが,その10分前には五色ヶ原案内センター(ペンタピア・スノーワールド)に着いていた。旅館から車で数分の距離だ。

まずは受付に顔を出す。案内人(ガイド)の在間さんが出迎えてくれる。2005年に初めて池巡りコースでお世話になり,2006年は挨拶だけだったがこのセンターで顔を合わせた。その後,立ち寄り温泉でも再会した。

頼んでおいた弁当を受け取り,登山靴に履き替える。

本日の滝コースは我々のグループ(6名)だけということで「貸切です」と言われた。2005年とは違って,静かな探勝を楽しめそうだ。残りの4名は駐車場で隣に止めた車の人たちだと分かった。ほぼ同じ時間に着いたのでお互いを待つこともなく,やってきたバスに乗り込んだ。

30分ほどで探勝の起点である「出合い小屋」に着くはずだ。バスは国道を離れると林道に入る。まもなく崖の上の方にカモシカを目撃する。バス内は盛り上がる。すぐに別のカモシカがカーブの向こうにいた。母子のようだった。

そうこうする内に,バスは出会いの小屋に到着。


(1)出合い小屋

五色ヶ原案内センターに集合して,そこからマイクロバスで30分ほどで到着。

標高1,410m。アルプスの登山口並みの標高だ。

池巡りコースの出発点であり終点でもある。つまり,コースの最後にはここに戻ってくる。

滝巡りコースは起点は集合場所の案内センターだが,終点はここだ。

時々日も射すようになり好転の兆し。雨に降られる心配もなさそうだ。これも日頃の行いか!?(^^)

  

(2)コースの説明

ガイドの在間(ざいま)さんが今日のコースの概略を説明している。

去年の滝巡りコースではガイドさんに不愉快な思いをしたので,今回は2005年に参加した際に好印象の在間さんを指名していた。(←ここだけの話です。(^^))

◎地図の拡大版
左の案内板をクリックすると別ウィンドウで拡大版が表示されます。

 

(3)出発

午前7時50分。柔軟体操をしてから出発。

他の参加者は岐阜県の4人グループの女性たちだった。去年の秋に滝巡りコースに参加したということだ。

後で分かったがみなさん同じ病院のナースさんだった。道理で体力があるはずだ。

 


(4)入山口

メンバーの4人組の女性たち。明るいけれでも物静かだ。

お蔭で心静かに自然と対峙して歩けそうだ。

 

(5)ゴゼンタチバナ

まだ咲き始めたばかりだ。葉が4枚のものには決して花はつかないという特徴がある。花がつくのは6枚の葉だ。

 

(6)沢上(そうれ)谷

 

(7)ヒロハツリバナ

秋の実がなる頃の方が目立つ。

 

(8)沢上(そうれ)谷

コースに入ってすぐに一度沢上谷に下ってから急な崩壊地のジグザクの道を登り返す。結構息が上がる。

 

(9)針葉樹林帯

ジグザグの道を登り切るとコメツガ,クロベ,サワラなどの針葉樹林帯が待っている。

さすが乗鞍,溶岩からなる岩塊も見られるようになる。

霧が深山幽谷の雰囲気を醸し出している。

 

(10)何かの花後か?

歩きながら思い出した,これは去年も見たがバイカオウレンの花後の姿だ。

 

(11)窓木(まどぎ)

地元の人はこういう輪状になった木を「まどぎ」と呼ぶそうだ。そして,神が宿る木として大切に決して切らないという。

輪の中に人が見えるようにして写した写真が観光写真で有名らしい。

 

(12)雌池

溶岩堤防という尾根状地形を越すと雌池が姿を現す。

しかし,…

水がない。(;_:)

資料によると,水位の増減や枯渇を繰り返す不思議な池ということだ。

他の池と違って秋になると水があるということだが,2005年の秋にはやはり水がなかった。

 

(13)タケシマラン

前日に上高地で偶然に見つけることができたタケシマランに出逢えた。

ランと名前はついているが,ユリ科だ。

 

(14)リスの食卓

上に載っているのは朝鮮五葉の松ぼっくり。つまり,中華料理に出てくる「松の実」。何と贅沢なリスたちだ。(^^)

影からも分かるように,森の中もずいぶんと明るくなってきた。明らかに天気は回復している。(^^)v

 

(15)「??更新」の説明

幹が折れたりしても残った部分から枝が出て成長を続けるというような説明だったかな?

 

(16)シロバナエンレイソウ

ミヤマエンレイソウとも言う。

 

(17)バイカオウレン

盛りは過ぎて実になり始めている。

 

 

(18)コヨウラクツツジ

この画像では分からないので下にアップをアップ。(^^ゞ

 

(19)コヨウラクツツジのアップ

確かにコヨウラクツツジの雰囲気だけれども,花の色がちょっと違うような…。

クロウスゴの可能性はないのだろうか?

 

(20)ムラサキヤシオ

あちこちに咲いているが,全体的には旬は過ぎている。


 

 

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