実験室
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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CURRENT MOON
 
実験室について

何か大袈裟な実験を行うのではなく,初心者ですので疑問に思ったことなどをデジカメで「試し撮り」をしてみようというコーナーです。

使用機材は,デジタル一眼レフカメラ「ペンタックスK10D」です。コスト的な利点に加えて,フィルムの入れ替えに相当することがなく感度設定を変更するだけで高感度撮影ができるのでデジカメは「試し撮り」にはうってつけです。

撮影の際は「ノイズリダクション」を通常はオンにしています。そして,RAWで撮影し現像時に現像ソフトの機能を使ってさらにノイズ除去を行います。それでもノイズはかなり発生しますが,今後のカメラの進化に期待するしかありません。

なお,このコーナーに掲載の画像は客観的な資料として利用していただきたいので,リサイズ以外のレタッチ(コントラスや色などの補正)は一切行っていません。

 

■感度設定による違い(1)

(1)感度ISO100で撮影(絞りはF4.0)

レンズ:SMC PENTAX DA 14mmF2.8 ED(IF) ※35mm判で21mm相当

 

(2)感度ISO800で撮影 (絞りはF4.0)

レンズ:SMC PENTAX DA 14mmF2.8 ED(IF) ※35mm判で21mm相当

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天体写真を撮る人はフィルムカメラ時代でも感度ISO1600のフィルムを使っていることが多かったように記憶していますが,当然のことながらデジカメでも高感度で撮影する必要があることが両者を較べれば明らかです。(風景として星を撮る人は高感度フィルムを避けISO400までの感度を使うことが多いようです)

デジカメでは,概ね感度800〜1600で撮っている人が多いようですが,プリント前提ではないのも1つの理由でしょう。近い将来にはプリントにできるほどノイズが減少して欲しいと思います。

 

■感度設定による違い(2)

(1)感度ISO400で撮影(F4.0+32秒)

レンズ:SMC PENTAX DA 14mmF2.8 ED(IF) ※35mm判で21mm相当

 

(2)感度ISO800で撮影(F4.0+32秒)

レンズ:SMC PENTAX DA 14mmF2.8 ED(IF) ※35mm判で21mm相当

 

(2)感度ISO1600で撮影(F4.0+32秒)

レンズ:SMC PENTAX DA 14mmF2.8 ED(IF) ※35mm判で21mm相当

星の写りこみ数と高感度撮影によるノイズの問題をどこでバランスを取るかが悩ましいところです。最近はノイズの処理にも進展が見られ新しいデジタル一眼レフカメラほど高感度に強くなっているようです。

 

■感度設定による違い(3)

(1)感度ISO100で撮影(F4.0+約11分)

レンズ:SMC PENTAX DA 14mmF2.8 ED(IF) ※35mm判で21mm相当

この露光やコントラストなどのレタッチはまったく行っていませんが,少し明るくしてコントラストを高くすると,下の感度200と感度4000中間的な画像になることも分かりました。デジタル画像の場合はレタッチをうまく施せば,こういう条件(街の灯りを取り入れた撮影)なら感度100でも星景写真が撮れそうです。

 

(2)感度ISO200で撮影(F4.0+約11分)

レンズ:SMC PENTAX DA 14mmF2.8 ED(IF) ※35mm判で21mm相当

街の灯りの明部を含めた全体の露光バランスという点ではこの画像が一番全体的なバランスが取れているかも知れません。

 

(2)感度ISO400で撮影(F4.0+約11分)

レンズ:SMC PENTAX DA 14mmF2.8 ED(IF) ※35mm判で21mm相当

少し明る過ぎる印象です。しかし,天の川(左側)の雰囲気は描写されていると思います。

 

■露出時間による印象の違い 
個人的な好みの問題かも知れませんが,左の方がよいように思います。1つには,星座はあまり流れ過ぎると印象度が弱くなります。また1つには,明るい星と暗い星のメリハリ感は左の方に感じられます。密集した暗い星は流れ過ぎるとお互いが干渉し合いコントラストが低くなるような印象です。(数時間におよぶ長時間露光はまた別の世界でしょう)
ISO 200+F4.0+15分露光
ISO 100+F4.0+30分露光
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デジタルには「低照度相反則不軌(ていしょうどそうはんそくふき)」はないので,左の画像の方が少し明るいのは月の光の影響と思われます。両者の撮影時間には約17分の違いが有り,後者はその分月が沈み空への月の明かりの影響が弱くなったようです。

上部のマゼンタ系の明部は『熱ノイズ』の影響です。