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撮影山行のための「登山装備」情報 ― 登山靴…(3)―

『登山靴の選び方』について(2)

●「幅広・甲高」人向けのお薦めの『軽登山靴』

※特定のメーカーに言及することになりますが,あくまでも私の体験談です。

私は極端な幅広・甲高の足をしています。山を始めて25年になりますが,この足の為に登山靴ではさんざん苦労してきました。既製の登山靴でピッタリ合うものに出会った例がありません。

学生時代より日常生活で無理をして革靴を履いたために外反母趾にもなり,いっそう登山靴選びが難しくなりました。しかし,無理をしないと履ける靴がないために悪循環に陥っていました。

「登山靴(2)」にも書きましたように,重登山靴をオーダーメイドで手に入れて初めて山行後の足の痛みから解放されました。重いザックを背負っての撮影山行では常にこの重登山靴を履きました。しかし,1つの靴だけ履いていると靴の傷みが激しくなりますし,場所によっては“出立ち”が大袈裟になりますから,高原歩きやハイキング程度の山行には軽登山靴も使用してきました。

その軽登山靴というのはシリオ製のものです。シリオ製品が発売になってから家族の分も含めて何足も履いてきました。

シリオは「幅広・甲高」を謳っている軽登山靴の中でも群を抜いて“幅広・甲高”です。それを知って,発売以来,皮やゴアテックス製のものを履いてきたという訳です。

私の足のサイズは25cm弱です。男性にしては小さいです。幅広・甲高と言っても,実際に履けたシリオの靴のサイズは26cmで幅が「4E」のものでした。このおかげで親指の付け根が痛くなるようなことはありませんでしたが,サイズアップしていますので靴の前部に余分な空間ができてしまい岩場などで爪先に力が入らないという状況はありました。これは私の足の所為ですから我慢するしかありません。痛くならないだけ有り難いと思ってきました。(ちなみに,私のビジネスシューズはF[=5E(?)]です。これでいかに幅広甲高であるかお分かりでしょう)

ところが…,

2007年5月24日に石鎚山系の寒風山に行った際に,頂上での休憩中にふと自分が履いている皮製の軽登山靴の側面を見ると割れ目が…。

経年劣化によるソールの加水分解を過去何度か経験しているので念入りに両方の靴を調べて見ました。ソールの張り合わせ付近に数箇所の小さなひび割れというか亀裂が見つかりました。

下山後,数日して購入店にソールの張り替えを依頼するために持って行きました。比較的新しい登山靴だったので加水分解を起こしやすい素材ではないと思っていたのですが,それは単なる思い込みで,まさしく問題になった素材だったのです。

割れ目を調べていた店員さんが「もう加水分解が始まっていますね」と言って,見えやすいように割れ目を広げて見せてくれました。まさしく,内部がボロボロになっています。我が家ではこれで5足目の「加水分解」です。

※加水分解については「登山靴(1)」に経験談を載せているので参照して下さい

張替えは覚悟していましたが,問題が1つありました。

私のオーダーメイドの重登山靴も実はGW明けに修理に出していたのです。戻ってくるのは6月の上旬以降の予定でした。今,この軽登山靴を張替えに出すと山に履いて行く靴がなくなります。遠征にも行けなくなるかも知れません。もったいないですが,新しい軽登山靴を買うしかありません。

数週間前にこの店に来た時にシリオ製の新しい靴を試しに履いてみていました。その時の印象はシリオ製にしては「窮屈」というものでした。シリオ製の靴はこの種類しかないと言うので,もう一度履いてみました。やはり,窮屈です。次は1.5cmのサイズアップを試してみました。やはり,窮屈だ。同じシリオ製でどうしてこんなに幅の広さが違うのか不思議に思っていると,3Eだと言います。

3Eの上の「3Eプラス」が合うお客さんが少ないので今は置いていないのだそうです。他に幅広甲高人向きの靴はないかと尋ねると,キャラバン製の靴も履きやすくて幅広甲高の人には人気があるとのことです。これも3Eなので期待をしないで履いてみました。やはり1.5cmのサイズアップですが…,驚きました。フィット感があります!!

shoes.jpg今まで履いていたシリオの靴は幅広だが1cmのサイズアップをしたので爪先に空間ができて岩場などでは爪先に体重をかけられない違和感がありました。また,これもサイズアップのためですが,足の一番幅が狭いところと靴の一番幅が狭いところが一致しないのも別の違和感の原因になっていました。

ところが,キャラバン製のこの靴は1.5cmのサイズアップにも関わらず,爪先にも体重をかけやすく足の横部分も靴の幅にピッタリと合っています。違和感がないどころか,実にフィット感があります。

私は今までに既製の登山靴を何足も履き潰してきたが,常に我慢して履いてきました。シリオのがその中でも唯一---多少違和感があるものの---痛みを経験しないで履ける靴だったのですが,このキャラバン製の靴はどこかを我慢して履く必要がないように思えました。山歩きを始めた1982年以来初めての経験です! 私のような足にも合う靴があるのだ,とある種の感動さえありました。これはまさしく想定外の出会いだったので,迷うこともなくシリオの靴を廃棄処分にしてキャラバンの靴を購入しました。

今修理に出している重登山靴は,作ってくれた店がもう廃業しているので,今回の修理も別の所でやってもらっています。どこまで修理できるかは靴を見てみないと分からないとの条件付で引き受けてもらいました。(※結局,合うとソールの張り替えだけしか出来ませんでした

東京に行く予定があれば将来に備えて別の店で新しい重登山靴を作ってもらおうと考えていたのですが…。(※これは2009年春に実現しました

実際に山行で履いて試すのはこれからですが,何回か履いても問題が出てこなければ,新しい重登山靴は作る必要がなくなるかも知れません。キャラバン製の縦走用のしっかりとした登山靴も私の足に合う可能性が出てきました。(^^)v

後日追記:実際に履き慣れてみると,爪先に多少空間がある過ぎるような感覚がありますが,問題になるほどではなく第1印象と大きくは異なりません。

以上の情報が,幅広甲高で悩んでいる人のお役に立てば幸いです。

【補 足】
シリオの登山靴は,ソールのパターンが大きいためか,あるいはソールが硬いためか,濡れた岩場や赤土のような粘土質系の土が踏み固められた登山道では滑りやすいいう印象があります。(地元のアウトドア店では剛性感を高める為に「ソールが硬い」とのことでした。)

ソールが硬いのは縦走向きなのかも知れませんが,日帰り山行ではこれも我慢しなければならない点でした。

購入店で,左足にキャラバンの靴,右足にシリオの靴を履いてベンチに座った状態で足を床に押し付けながら前に力を加えると店内のフローリングの上ではシリオの靴は間単に前に滑って行きます。キャラバンのソールは床に吸い付いているようです。ソールが柔らかいと長持ちしないというようなことがあるのかも知れないが,これも嬉しい点だった。

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